SignⅡ〜銀の恋人と無限の愛を

◇気付いた想いと切なさと

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「おはよう湧人!」


「…………」


「……おはよう!」


「…………」


「……おは……」


あたしを擦り抜け湧人は玄関へと歩いていく。


「……ゆう——」

——ガチャン。


閉ざされてしまった玄関扉。

今日も湧人は何も言わず、一人で学校へ行ってしまった。


「……湧人……」


あれから、湧人はあたしと口をきかなくなった。


“顔も見たくない”


その言葉通りあたしを見る事もなくなって、話しかけても返事はないし、まるであたしがいないみたいな態度をとる。


「……ハァ、」


こぼれるため息。

また、胸がズキズキした。


……なんなんだろう……


あたしはずっと分からないままだ。

きっとあたしに原因があるんだろうけど、それがはっきりしないのだ。


あたしが生徒会長と一緒にいたから……?


ううん、あの時の会話を思い出すと……


……キス、 したのが原因なのかな……?


……でも、 だとしたらどうして……


考えていると余計に胸が苦しくなる。


「……ハア〜、」


また大きなため息がこぼれ落ちた。
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