SignⅡ〜銀の恋人と無限の愛を

◇友達から恋人へ

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————あれから三週間。


「……はあ〜、」


あたしは、熱気が漂う街なかを一人のろのろ歩いていた。

いつもよりズシリと重いバッグを肩に下げながら見慣れた街を歩いてゆく……


「…………」


しばらく歩いて足を止めた。

目の前にはおしゃれな模様が施された立派な外壁。

そこから上を見上げれば存在感のある大きなハンカチの木が目に映る……


「…………」


やっぱりあたしは躊躇する。

三週間前の思いは今も変わらない。

あたしがいると湧人を傷付けてしまう。悲しませてしまう。だからあたしは家を出たのだ。


————だけどこれだけは……


直接は会わなくてもいい。　手紙とか、メイドに伝えてもらったり、あとは……

あとは遠くからでもいい。　湧人をもう一度見られたら……


「……フウ〜、」


深呼吸してあたしはそっと中へ侵入する。
広い庭園をキョロキョロしながら歩いていった。