男の娘の名探偵、シャルロッテ・ホームズ
「……あの子、結構俺を警戒していたように思うんだけど……」

「……ハルは、昔に色々あって、初対面の男性には警戒心が強いんだよ。レイモンドみたいな性格だって分かれば、すぐに警戒心は無くなるけどね」

そう言いながら、シャルロッテはイスに座る。レイモンド警部は、シャルロッテと向き合うように座ると、首を傾げた。

「……何があったんだ?」

「で、その依頼は?」

レイモンド警部の疑問をはぐらかすように、シャルロッテは話題を振る。その時、ドアが開いて、3人分のお茶を入れたお盆を持ったハルが現れた。

「……実はな。特殊捜査に協力していただきたい」

「特殊捜査……ですか?」

お茶をレイモンド警部の前に置き、ハルは首を傾げる。

「あぁ。最近、誘拐事件が連続であってな。攫われてるのは、女性ばかりなんだ。それに、何も手がかりが無いから犯人が分からなくて……それに、お金を要求してるんだ。払わなかったら、誘拐された人たちを痛めつけるって、言ってるらしい」

「……なるほどね。それで、犯人を見つけ出すのを手伝え、と」

頬杖を付きながら、シャルロッテは紅茶に口を付けた。

「そうそう」

シャルロッテの言葉に、レイモンドは頷く。

「……面白そうな事件だ。良いよ。協力する」

シャルロッテは、嬉しそうに微笑んだ。
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