❀🍞Pan・Rouge🍞 Ⅰ❀
―――
―――それから、二人は荷物を持ち出すと、いよいよ温泉に出掛けるようになり、二人は御洒落をしている。ガウチョパンツは穿きやすいし、この緑のチェックのスカートも良い。あまりスカートは穿かないけれど、思わず可愛いデザインだから、買ってみる事にした。赤いコートも似合う。
それから、夕方の六時に、バスに乗り、温泉にレッツゴー。2人だけの、世界になりそう―――。というか、なっているだろう。2人はチケットを見せると、気の良い叔母さんが、バスに入れてくれた。席順は後ろから、二番目の筈だ。そこには、名前が書いてあり、座りやすくなっていた。
『―――此処・・・みたいね・・・寝違えないと、良いけど・・・でも、良いじゃない・・・』
『―――御前・・・子供だな・・・』
『―――あら・・・貴方こそ・・・そわそわしている癖に―――。』
その言葉に、彼女は笑うと、彼はドキリとした。今、彼女は吃驚してしまい、思わず顔を隠してしまった。
―――御前・・・笑うな・・・焦るだろうが・・・何考えている?
『―――何って・・・貴方こそ・・・変な事、考えないでよ?』
『―――そんな大きな声で・・・やめろ、恥ずかしいだろう・・・』
その言葉に、誰もがキョトンとしてしまい、二人は慌てて『―――すみません・・・すみません・・・』と謝り、彼等は大爆笑した。
―――もう・・・変な事、考えないで―――
―――御前こそ・・・
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