やがて春が来るまでの、僕らの話。
【ハナエside】
こんなこと、言いたいわけじゃないのに。
なのに口が勝手に動いて、ひどい言葉ばかりが出てくる……
「……なんだよそれ」
「……」
「別に俺だってみんなに好かれてるわけじゃねぇよ!ほんとに信頼されてたらロッカーだって点検なんかされねぇよ!」
そうかもしれないけど……
「だけど私がこのお店で働けたのは結局杉内くんが信頼されてたからでしょ!?私1人だったら働かせてくれる場所なんてどこにもないもん!」
「そんなのわかんねぇじゃん!」
「わかるもん、経験もない家もないお金もない、…そんな女世間から見たら問題を起こす厄介な身元不明人なんだもん!」
「、」
「恵まれてる杉内くんに、私の気持ちなんてわかるわけない!」
止まらない口が、ひどい言葉を言い切ったあと。
「………」
杉内くんは、また黙り込んだ。
怒った。
空気からそれを感じた……