やがて春が来るまでの、僕らの話。
「売り上げ……私のカバンから出てきて……」
「……は?」
「、……」
そのあと2人が黙り込むから、訳のわからない俺も黙るしかない。
賑わう街中で突っ立っている俺らの横を、たくさんの人が通り過ぎていく。
ねぇ、ほんとなに?
俺にもわかるように説明してよ。
「……盗ってないんでしょ?」
「うん……」
「だったらクマさんに言いなよ、ちゃんと説明して、」
「言ったよ、ちゃんと」
「じゃあなんで帰されんの?もっと納得してもらえるように、」
「言ったもん!私じゃないって、知らないって、ちゃんと言った!」
「でも、」
「それでも信じてもらえなかった!身元がハッキリしていない人間は問題を起こすから厄介だって、そう言われたっ」
「、…」
「いいよね杉内くんは、 杉内くんの知り合いだからって信頼してもらえるくらいの信用があって!」
「、」
「私はきっと一生かかったって信用してもらえないっ。やってもない濡れ衣着せられて、違うってどんなに言ったって信じてもらえない!」
「そんなこと、」
「どうせ杉内くんにはわかんない!皆に好かれて皆に信頼されて、皆に必要とされてる杉内くんに、私の気持ちなんてわかんないっ」