やがて春が来るまでの、僕らの話。

<柏木side>



何も喋らなくなった俺たちの上に、花火が何発も打ち上がる。

心臓まで響く花火の音は、鳴る度になんでか少しだけ怖い。


鳴り響く音のでかさにビビる俺の心臓は、どんだけ弱くて小さいんだろう……



「……」



死にたいって、本気で思ってた。

今だってきっと思ってる。


もしもこの空の向こうに陽菜がいるなら、今すぐ死んで会いに行きたいって、そう思う。


陽菜に会って、ちゃんと言わなきゃって……



ちゃんと、



ちゃんと…?



「………」



会いに行って、俺は何が言いたいんだろう。



やっぱり今日も同じだ。


こんな風に陽菜のことを考えたら、いつも頭ん中がグチャグチャになる。


怖くて苦しくて痛くて。


痛くて痛くて痛くて痛くて。



痛すぎて、消えたくなる……


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