やがて春が来るまでの、僕らの話。
「大丈夫、お前はなんにも悪くない」
「、…」
「大丈夫、俺が保証する」
「…ッ……」
聞こえた声に涙が増した。
柏木くんの腕の中で、恥ずかしいくらい涙が止まらなくなった。
「子供だったお前に、できることなんて何もなかったんだから」
「…、…ッ…、、…」
寒空に溶ける柏木くんの声が、優しくて、温かくて。
「それでももし、誰かがハナエを恨むなら」
柏木くんの温もりが、生きる希望を与えてくれる……
「俺がそいつらからハナエのこと、守ってやるよ」
きっともう目は真っ赤で、顔はぐしゃぐしゃ。
人前に出られる姿なんかじゃないと思う。
わんわん泣きじゃくる私の声は、まるで小学生にでも戻ったようで。
柏木くんの胸に顔を埋めて、気が済むまで泣き続けた……