超人気アイドルは、無自覚女子を溺愛中。
スマホの電源をつけて時間を確認する。
と、メッセージが届いていたから開いて確認する。
《ここに来て》
その文字とマップが貼られている。
ソラ……颯くんからだ。
「花音ちゃんごめん。ちょっと用事あるから先に帰ってて。本当にごめんね。今日はありがとう」
「そうなの?わかった。大丈夫だよ。また連絡するね」
「うん。遊ぼうね!」
花音ちゃんに手を振って、マップで記された場所まで走っていく。
だけど着いたところはロープがあって関係者以外立ち入り禁止と書かれていた。
ど、どうしよう……。
そう思っていたのもつかの間、黒いキャップを深くかぶってライブTシャツを着ている颯くんが横のドアから出てくる。
「こっち」
と手を引っ張られて中に入る。
そこは倉庫なのか物がたくさんあり、少し狭い空間だった。
見上げると颯くんはわたしの腰に手を回し、体を密着させて目を合わせる。
さっきまでたくさんの歓声を浴びて、キラキラ輝いていた人が目の前にいて抱き寄せられている。
不思議な感じだ。