超人気アイドルは、無自覚女子を溺愛中。




スマホの電源をつけて時間を確認する。

と、メッセージが届いていたから開いて確認する。




《ここに来て》


その文字とマップが貼られている。

ソラ……颯くんからだ。




「花音ちゃんごめん。ちょっと用事あるから先に帰ってて。本当にごめんね。今日はありがとう」

「そうなの?わかった。大丈夫だよ。また連絡するね」

「うん。遊ぼうね!」



花音ちゃんに手を振って、マップで記された場所まで走っていく。

だけど着いたところはロープがあって関係者以外立ち入り禁止と書かれていた。


ど、どうしよう……。


そう思っていたのもつかの間、黒いキャップを深くかぶってライブTシャツを着ている颯くんが横のドアから出てくる。




「こっち」


と手を引っ張られて中に入る。

そこは倉庫なのか物がたくさんあり、少し狭い空間だった。


見上げると颯くんはわたしの腰に手を回し、体を密着させて目を合わせる。



さっきまでたくさんの歓声を浴びて、キラキラ輝いていた人が目の前にいて抱き寄せられている。


不思議な感じだ。






< 382 / 400 >

この作品をシェア

pagetop