超人気アイドルは、無自覚女子を溺愛中。
「どうして言ってくれなかったの?びっくりしたんだけど」
「今日はファンとして来ようと思ってたから秘密にしてました」
「ふーん」
頬を膨らませて拗ねているみたい。
あのときも、わたしが来ることを言ってなかったから拗ねてたんだ。
「すっごくかっこよかったです!キラキラしててドキドキわくわくして、楽しくてふわふわしてます。颯くんが来てくれたあとは腰抜けちゃった」
「かわい」
そう言っておでこにちゅっと唇を寄せる。
この密着感が恥ずかしい……。
「でも、言ってほしかったな。おれより先に海成がゆきちゃんに気づいたんだよ?悔しい……」
「海成くんはオープニングでわたしのいる席まで来てくれましたから」
「うん。ずるい。おれが先に気づきたかった。ハイタッチしたんでしょ?」
「はい」
「あ~おれがいちばんにファンサしたかった」
拗ねてる颯くんはすごくかわいい。
胸がきゅんとしてしまう。
わたしも颯くんの腰に手を回しぎゅっとする。