世界でただ一人のヒーラーは生殺与奪を握ってます。
アリシアは押し黙っていた。綺麗だと言われて嬉しいという気持ちもあった。けれど・・・アリシアがその言葉を信じる事はなかった。
「街を歩けば石を投げられるんです。息子を返せと・・・買物をすれば人の三倍以上の値段をいわれます。冒険者からは恐怖の目で見られます。助ければ助けたほど恨みが増えて行くんです。どうしてあの子を助けてうちの子を助けてくれないのと、私の胸で泣かれるんです。どうしたらいいんでしょうか・・・いっそのこと助けないほうがいいと思うんです。そうしたら私は助けなかったと恨まれるんでしょうね。こんどは二人に泣かれて私は困り顔を平然と浮かべているんでしょうね。恨まれて、ねだられて、求めるくせに避けれて、聖女だと讃えても次の日には悪魔だと言われて、敵には的にされて、向かってくるから殺して、私は助けて、殺しての繰り返しです。これが貴方様がおっしゃった癒しの手です。」
光りが強く輝きを放つといっそう色濃く影ものこる。アリシアはまさに光と影がせめぎ合っているのだろう。
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