センチメンタル・ジャーニー Ⅱ ~俺が本当に守りたい人

大学に入学して 2人に 別の社会ができると

カンナは 耐えられなくなった。


朝 学校に行く前に ラインするとか。

授業が 終わったら 電話するとか。


カンナは 色々なルールを 勝手に決めて。

俺が 反論すると 怒って泣く。

「奏斗は もう私のこと 愛してないのね。大学で 新しい恋人が できたんでしょう。」

言い合いさえも 面倒になって 

俺は 生返事をするけど。


でもカンナの 思い通りに 連絡なんか できるわけもなく。

結局 また カンナは 狂ったように 泣き喚く。


「カンナ。もう別れよう。俺 カンナの思うようには 付き合えない。」

「どうして…?」

「大学の友達との 付き合いもあるし。それに 来月から バイト始めるから。カンナの言う通りに 連絡できないし。」

「奏斗 もう私のこと 好きじゃないの?」

カンナは 上目使いの 潤んだ目で 俺を見たけど。

俺は 普段のカンナを 知っているから

そんな表情も 可愛いと 思えなかった。


「ゴメン…」

カンナから 目を逸らして 俺が 答えると

「そっか。うん。わかった。」

カンナは 意外にあっさりと 引き下がった。


GWが終わった 5月の終わり。

俺とカンナの 付き合いは 1年も 続かなかった。







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