センチメンタル・ジャーニー Ⅱ ~俺が本当に守りたい人

別れを 告げる時 もっと揉めるかと 思ったけど。

拍子抜けするほど 簡単に 承諾したカンナ。


俺は ホッとする反面

少し ガッカリもしていた。


カンナが 縋っていたら それはそれで 困ったけど。

『なんだ…案外 平気じゃん。』


あんなに 俺を 束縛していたのは

ただの 執着だったと 俺は思った。


プライドの 高いカンナは 

縋ったり 追ったり できないだけ。


まだ 若い俺は そこまで 考えられなかった。


カンナから 解放されて 俺は 本当に スッキリしていた。

大学での 新しい生活は 順調で。

友達も たくさんできて 楽しかったから。


どうして あんなに 縛られていたのか。

何故 もっと早く カンナと別れなかったのか。


大学に 入った頃から 

俺は カンナを 抱かなくなっていたのに。







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