センチメンタル・ジャーニー Ⅱ ~俺が本当に守りたい人

夏休み前の テストが始まって。

久しぶりに 早く 帰った日

「あれ…奏斗?」


駅のホームで 声を掛けられて

「カンナ?」

一瞬 誰か わからないほど 痩せたカンナ。

「久しぶり。奏斗 元気?」

「ああ。カンナ 痩せたな。どっか 具合悪いの?」

「そお?この頃 暑いから。夏バテかな?」


カンナは 痩せた自覚が ないのか。


「あんまり 無理すんなよ。なんかあったら 連絡しろよ。相談に乗るから。」

「うん。サンキュー。じゃあね。」

手を振って 離れて行くカンナが

俺は 理科室にある 骨の人体模型に見えた。


『どうしたんだ…』

普通じゃない 痩せ方。

目だけが ギョロギョロしていて。


俺は カンナから 恐怖しか 感じなかった。

妙に 明るい カンナのテンションも 不安で。


このままじゃ マズい…

カンナに 何かあっても 

俺は 責任を取れないし。


俺は 意を決して カンナのお母さんに 連絡した。


再婚した カンナのお母さんは

カンナと 住んでいた家に残って

カンナが 大学の近くに 

アパートを借りていたから。


高校生の頃 何度か 行った 

カンナの家を 俺は訪ねた。






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