センチメンタル・ジャーニー Ⅱ ~俺が本当に守りたい人

それでも 葉月は 俺を 信じてくれた。

カンナと 電話で話す俺を

少し 寂しそうに 見つめながら。


そのことで 俺を 責めたりしないで。


初めて葉月の前で カンナから 呼び出された時

俺は やっぱり 拒否できなかった。


熱が出て 苦しいから 薬を買って来てと

カンナから 電話があった時。


俺は 葉月を残して カンナの部屋に 行ってしまった。


その日 葉月と朝を迎え ベッドの中で じゃれ合って。

俺達は 甘く幸せな 時間を 過ごしていたのに。


ゆっくり ベッドを降りて。

午後は 映画に行こう と言って。


遅めの食事を していた時

カンナからの 電話が 来た。


「行くの?!」

葉月は 切れ長の目を 見開いて

軽蔑するように 俺を見た。

「ごめん。心配だから 様子を見てくるよ。」


まるで 逃げ出すように 葉月の目を見ないで…


俺は カンナの部屋に 向かった。


葉月は どんな思いで 俺を 見送ったのだろう…

俺は 本当に 酷いことを してしまった。


もし 逆の立場だったなら

俺は 力ずくで 葉月を行かせないだろう。


俺は 心の中で 葉月に 謝り続け

カンナの部屋に 向かった。







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