センチメンタル・ジャーニー Ⅱ ~俺が本当に守りたい人

俺は 急いで 葉月のアパートに 引き返したけど。

葉月は 部屋に いなかった。


どこに 行ったんだ…

葉月の携帯は 繋がらないし。


俺は 初めて 葉月を失うかもしれない 恐怖を感じた。


慌てて アパートの回りを 探し歩く。

いつも 葉月が 買い物をする スーパー。

コンビニや ビデオショップ…


葉月の姿は 見当たらなくて。

焦って 駅とアパートを 何度も往復する。


だんだん 日が落ちて 空は 暗くなるけど。

葉月の部屋は 電気が点かないまま。


それでも 何度か ブザーを鳴らして

中に居ないことを 確認して。


また 駅まで 戻ったり…


そんなことを 繰り返し アパートの前で 佇んていると

葉月が 帰って来た。


「奏斗… ずっと居たの?」

俺は やっと 数時間の 緊張から 解放されて

「戻ってきたら 葉月 いなくて。買い物かなって思って スーパーとか コンビニに 行ったけど。姿が 見えないから。駅で 少し待って。また 戻ったけど 電気 消えたままだし…」

「ごめん… 寒かったでしょう?とにかく 入って。」


怒っていたはずなのに 葉月の言葉は 優しくて。






 
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