センチメンタル・ジャーニー Ⅱ ~俺が本当に守りたい人

「葉月 ゴメン。俺が 悪かった…」

葉月は 映画を 見て来たと言った。

その日 俺と見るはずだった 映画…


俺は たまらなくなって 葉月を抱き締めた。

葉月は ハッとしたように 身体を固くして


「奏斗。カンナさんを 看病してきたんでしょう?」

と俺に 疑うような目で 言った。


葉月は 誤解している…

俺は カンナに 気持ちなんか ないのに。


カンナを 優しく看病して 

抱き締める俺を 想像していたのか…


何も知らない 葉月は カンナに 嫉妬している。

そんな葉月が 意地らしくて 愛しくて。


「葉月…俺 もうカンナには 会わないから。ゴメン。心配かけて。カンナにも ちゃんと言うから。」

「私 すごく寂しかったんだよ。映画見ても ちっとも頭に入らなくて。」


もう一度 抱き締めた時 

葉月は 涙を流して 俺に 抱き付いた。






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