溺愛は蜜夜に始まる~御曹司と仮初め情欲婚~
「そう言われても……。あ、だったらチーズをカットするのにちょうどいいサイズのまな板も欲しいです」
「おろし金の次はまな板か?」
期待を隠さず目を輝かせる梨乃に、侑斗は明らかにがっかりした声を洩らした。
「ワインとチョコレートは最高の組み合わせですけどチーズもいいですよね。今夜は両方並べて乾杯しましょう。贅沢すぎてわくわくしますねー」
つないだ手に力を込め、梨乃は幸せそうな笑みを浮かべた。
「わくわく……たしかに」
最近、梨乃は侑斗と一緒にいるときにこの笑顔をよく見せるようになった。
凛々しいたたずまいで仕事に集中している姿も捨てがたいが、侑斗に心を許しているとわかる梨乃のこの笑顔は格別だ。
翔矢への姉としての気負いが薄れ、梨乃本来の素直な明るさが顔を出すようになったからだろう。
「だったら、向こうの通りに百貨店があるからそこで買おう。だけど、まさか服よりおろし金か……」
「ごめんなさい。私、このあたりのお店には縁がないというか詳しくないし……」
梨乃は恐縮し、小さく頭を下げた。
「おろし金の次はまな板か?」
期待を隠さず目を輝かせる梨乃に、侑斗は明らかにがっかりした声を洩らした。
「ワインとチョコレートは最高の組み合わせですけどチーズもいいですよね。今夜は両方並べて乾杯しましょう。贅沢すぎてわくわくしますねー」
つないだ手に力を込め、梨乃は幸せそうな笑みを浮かべた。
「わくわく……たしかに」
最近、梨乃は侑斗と一緒にいるときにこの笑顔をよく見せるようになった。
凛々しいたたずまいで仕事に集中している姿も捨てがたいが、侑斗に心を許しているとわかる梨乃のこの笑顔は格別だ。
翔矢への姉としての気負いが薄れ、梨乃本来の素直な明るさが顔を出すようになったからだろう。
「だったら、向こうの通りに百貨店があるからそこで買おう。だけど、まさか服よりおろし金か……」
「ごめんなさい。私、このあたりのお店には縁がないというか詳しくないし……」
梨乃は恐縮し、小さく頭を下げた。