溺愛は蜜夜に始まる~御曹司と仮初め情欲婚~
あのとき侑斗に肩を抱かれ、緊張が解けてホッとしたのだ。
自分が翔矢を守らなければならないという無意識の責任感から解放され、自分が守られているのだという安心感に心が震えた。
張りつめていた体からすっと力が抜けていくような心地よさ。
翔矢とのふたり暮らしが始まって以来、そんな感情を忘れていた自分にも気づいた。
そのときの温かな感情を、梨乃は今再び感じている。
梨乃は相変わらず心配そうな表情を浮かべている侑斗に視線を向けた。
切れ長ではっきりとした侑斗の目が梨乃に向けられ、そのまなざしの強さに梨乃はドキリとする。
「顔色が戻ったな。ようやく落ち着いたか?」
梨乃はこくりと頷いた。
「まあ、身近で強盗事件なんて起きたら誰でも動揺するよな」
「あ、はい。でも、今日はーー」
「今日は、たまたまこの家が被害に遭わなかっただけだ。それに俺が偶然一緒にいたから翔矢君も安心して予備校に行った。たまたまや偶然がいつも続くわけじゃない。だから、今日はなにもなかったから安心しろ、なんて軽々しく言うな。戸締りや身の回りには気をつけろよ」
「わ、わかってます」
自分が翔矢を守らなければならないという無意識の責任感から解放され、自分が守られているのだという安心感に心が震えた。
張りつめていた体からすっと力が抜けていくような心地よさ。
翔矢とのふたり暮らしが始まって以来、そんな感情を忘れていた自分にも気づいた。
そのときの温かな感情を、梨乃は今再び感じている。
梨乃は相変わらず心配そうな表情を浮かべている侑斗に視線を向けた。
切れ長ではっきりとした侑斗の目が梨乃に向けられ、そのまなざしの強さに梨乃はドキリとする。
「顔色が戻ったな。ようやく落ち着いたか?」
梨乃はこくりと頷いた。
「まあ、身近で強盗事件なんて起きたら誰でも動揺するよな」
「あ、はい。でも、今日はーー」
「今日は、たまたまこの家が被害に遭わなかっただけだ。それに俺が偶然一緒にいたから翔矢君も安心して予備校に行った。たまたまや偶然がいつも続くわけじゃない。だから、今日はなにもなかったから安心しろ、なんて軽々しく言うな。戸締りや身の回りには気をつけろよ」
「わ、わかってます」