ONLY YOU～過ちの授かり婚～
「・・・二人的には川瀬さんの死は万々歳だったワケだ」

尚也さんは頬杖を付き、私達を冷たく見ていた。

「俺達は別に・・・そんな風に思っていません・・・」
純也さんは真っ向から否定した。

「じゃどんな風に考えてるワケ？彼の告別式が終わった途端、結婚を急がせるなんて・・・不謹慎極まりないよ。
それとも、急ぐ理由があるの？」

「結婚を急ぐのは子供の為です・・・彼女が俺の子を妊娠しているからです」

「・・・純也の事情は分かった。
しかし、二人の結婚を世間がどんな風に見るか…心配だ。私の総理としての立場を考えるなら・・・慎重にコトを進めて欲しい。純也」

「それは分かっています。敦司さん」

「でも、鍛造叔父様は猛反対するだろうな…
俺に続いて純也まで…自分の選んだ相手と結婚しないだもん」

尚也さんは皮肉気な笑みを浮かべて言った。

「鍛造叔父さんは色々と指図し過ぎるんだよ・・・」
佑介さんは嫌悪感を抱き、顔を顰めた。

「ともかく・・・慎重に頼む。純也」

「分かっています。敦司さん」

徹さんの四十九日が過ぎるまでは内密にしなくてはならない。

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