ONLY YOU~過ちの授かり婚~
壬生さんの運転するベントレーで伊集院家本家の邸宅に向かう。
セキュリティを考慮し、総理から邸宅のゲストルームに泊まるよう指示されていた。

「折角のコース・・・食べるコトが出来なくて、ゴメンなさい」

「仕方がないさ」
妊娠で気分の悪い私はコース料理を完食出来なかった。その上、味覚の変化か酸っぱいオレンジを好んで食すようになり、純也さんが単品で私の為にオレンジのコンポートをオーダーしてくれた。
そのコンポートは全部食べ切った。

「君は普通のカラダじゃないんだ…」

純也さんは私の手をそっと握りしめる。

「私…やっぱり貴方とは・・・」

「君が居なきゃ、俺は死ぬよ」

「純也さん・・・」

「だから、そんなコト言わないでくれ・・・乃彩。俺のそばにずっと居てくれ」

彼は私に哀願した。

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