ONLY YOU~過ちの授かり婚~
母として自覚
私が体調不良で休んでいる間に、会社の移転は完了した。
移転して初めて出社。

『共栄薬品』と『宝和薬品』が合併し、会社名も『共和薬品』に変更。
新たな一歩を踏み出していた。

父は退院したものの、自宅療養となり、事実上経営から退くコトになった。
我が社の副社長だった叔父は『共和薬品』の副社長に就任。私は叔父の秘書として仕事をこなすコトになった。
『共栄薬品』のおかげで、わが社は『ソーマ』と並ぶ製薬会社に躍り出た。
私の妊娠はまだ父達には秘密。

しかし、以前のようにカラダが動かない。

新社長から頼まれた資料作成で、久しぶりにノートパソコンを立ち上げ、キーを叩く。
資料作成を終え、後は誤字脱字がないか確認するだけ。
タイピングで凝り固まった肩の筋肉を解していると内線が鳴った。

相手は愛奈さん。

「貴方に話がある。昼休み、踊り場に来て」と告げられ、内線は切れてしまった。

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