ONLY YOU~過ちの授かり婚~
純也さんは欠伸をしながら、カラダを起こして同じ目線の高さで私を見た。

「昨日は焦った・・・」

「!?」

「乃彩が浴槽のそばで気を失ってるから・・・おまけに裸だし、目のやり場に困った」

私はその言葉で、気恥しさから熱が頬に集まり、軽い眩暈を起こした。
そして、彼の腕の中にしな垂れた。


「おいっ!?大丈夫か?乃彩」

「だ、大丈夫です。恥ずかしくて、血の巡りが顔に集中しただけです」

私は自分から純也さんの腕の中から逃れた。

「本当に大丈夫か?胸板ぐらいなら、いつでも貸してやるぞ」

純也さんが私の再び腕の中で抱き締めた。

私の顔が彼の胸板に埋める形になった。

トクトクと彼の心臓の音がパジャマの布を通して、早鐘のように鼓膜に響かせる。




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