ONLY YOU~過ちの授かり婚~

純也sideー

俺は乃彩からの電話を切った。

「どうしました?頭取」

頭取秘書の白野さんは神妙な顔の俺を心配そうに見つめる。

「いや…何でもない…妻が壬生と共に来ると思う…来たら通してくれ。白野さん」

「承知しました、頭取」

俺の態度に乃彩も業を煮やしたのだろう。

夫婦となる以上、避けては通れない問題。
俺はあえて、核心を避けて彼女を会わずに居た。

俺は彼女と同じ部屋で暮らすコトに耐えられなかった。自身の理性に自身が持てなかった。


彼女を見てると愛しい想いが溢れて熱くなる。
男して彼女の全てが欲しくて切なくなっていく。

妊婦の彼女にそんなコトを求める自分が甚だしかった。

川瀬の代わり身として彼の子の父親となり、一生代わり身のままで添い遂げようと誓ったのに、俺は自身で彼女を幸せにしたいと思う。
代わり身では満たされなかった。

俺はココロから乃彩を愛してる。

人を愛するコトがこんなにも苦しく切ないなんて、誰も教えてくれなかった。

そう誰も…



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