ONLY YOU~過ちの授かり婚~
「どうした?佑介」

「事態の収拾が付きそうだ・・・」

佑介さんはとびっきりの笑顔を俺達に向けた。

「純也と川瀬徹を襲った二人組の強盗犯の身柄が拘束されたらしい。
今、さっき、俺の所に連絡が入った・・・彼らはプノンペンでは有名な強盗団のメンバーだったようだ。組織的な犯行が証明された。純也の疑惑も晴れると言うコトだ・・・喜べっ!!敦司に純也」


「佑介さん、ありがとう御座います」

「俺は何もしていない…礼を言うなら、カンボジアの警察に言ってくれ…純也。しかし、もう少し…早く逮捕されれば、こんなに騒がれるコトもなかったのにな・・・なぁー敦司」

「そっか…すべてが丸く収まったのなら、さっきの話は白紙だな。純也」

敦司さんはバリトンの声を響かせ、俺を詰った。


「それは…」

「さてと全ては解決した。私も官邸に戻り、記者会見の準備だ。純也お前は名誉棄損で『スクープ』を訴えてやると言えばいい・・・今まで、酷いバッシングを受けたんだ…それぐらい言ってやれっ」

「敦司さん…」

「じゃ俺と敦司は官邸に戻る。乃彩さんにも事態の収拾はついたと伝えてやれっ」

「ありがとう…佑介さん」



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