ONLY YOU～過ちの授かり婚～

コーガは騒がれる前にさっさと黒いサングラスに中折れ帽子を被って変装して、帰ってしまった。

「あの帽子とサングラス…何処かで見たコトあるような・・・」

「実はあれ…康秋から借りた変装グッズだ…」

「…そうだ・・・」

「！？」

「俺も君に書いて欲しい書類を持って来た…」

「えっ？」

彼はブリーフケースから封筒を取り出し、私に見せた。

「これって…」

彼が書いて欲しい書類とは婚姻届だった。

既に彼と名前と捺印、証人欄には総理と父の名前が書きこまれて捺印されていた。
後は私の名前を書いて捺印するだけ。

「印鑑は乃彩のお父さんから借りて来た…遅くなって本当にゴメン…」

「いえ…これで私達は晴れて夫婦になるんですね…」

「あぁ」