ONLY YOU~過ちの授かり婚~
「『宝和薬品』はかなり資金繰りに…」

壬生さんは全てを把握していた。


「山田支店長に何か言われていませんか?」

「いえ・・・それは…」

私が言葉を濁していると壬生さんがくぐもった声で言った。

「ホテルに誘われたでしょ?」

「それは…その」

「貴方が俺の嵌める罠に協力してくれたら、『宝和薬品』の融資をある方にお願いして、取り付けてあげます。だから、協力してください!!」

「罠って…」

今まで、散々お世話になって来た山田支店長を裏切るような気がして、返事に迷った。

「君はこのまま…支店長と一夜を明かすの?」

「それは嫌です!!」

そのキモチだけはハッキリしていた。

見ず知らずの男と一夜の過ちを犯した私だけど。

山田支店長とは嫌だ・・・

「なら、決まりですね・・・ご協力感謝します」

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