ONLY YOU~過ちの授かり婚~
俺達は仲たがいしたまま、プノンペンでの仕事を終え、荷物を纏めてチェックアウトした。

ホテルでチャーターしたタクシーで空港に向かう。

プノンペンはベトナムのホーチミンに比べてバイクの量も少なく、空気もキレイだった。

思い残すコトは世界遺産のアンコールワット遺跡に足を運べなかったコト。

タクシーの後部座席に川瀬と並んで乗り込んでいた。

「・・・頭取の言う通り・・・乃彩にラインを送りました。返信待ちです」

「そうか…俺には渡したくないと言うコトだな…それでいい」
俺は身を引き、二人は元の鞘に戻る。
俺の役目は終わった。

順調に走っていたタクシーだが、急に停止しのろのろ運転になってしまった。

夕方の大渋滞に巻き込まれてしまったようだ。


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