ONLY YOU~過ちの授かり婚~
兆候
最初は頻繁に来ていた純也さんからのライン。
でも、直ぐに途絶えてしまった。
一日目は忙しいのかと思ったが、二日、三日経つにつれ、愛奈さんが何か純也さんに言ったかと思い始めた。

それでも、私の方からのラインは送信し続けた。

元々、私は二人の間を割って入ったようなモノ。
今の状況は仕方がない。

『共栄薬品』が『宝和薬品』を吸収合併する話はが世間にも正式発表された。

しかし、私達の不利な条件は変わらなかった。
父は心労が重なり、心臓の持病で入院した。

「乃彩、すまない」

自身が床に臥してると言うのに、父は私や従業員達のコトを心配した。

「今月中に、本社オフィスは『共栄薬品』本社のある汐留に移転します」

「そうか…」

「お父様に代わり、信三叔父様がしっかりやってくれています。
私だって信三叔父様の秘書として頑張るから、お父様は養生してください」

退院しても、父のポストはもうない。
そう思うと不憫だった。



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