貴妃未満ですが、一途な皇帝陛下に愛されちゃってます
「ずっと……ずっとあいつはお前の事だけを」

「天明!」

 めずらしく晴明が声を荒げる。

「僕だって、諦めてはいない!」

「じゃあなんでたった一人の妃に睡蓮を選ばなかったんだよ!」

「選んでいたさ! 皇帝になる前からずっと! 何度も朝議にかけていたじゃないか! だから、皇帝になるときに宰相と約束を」

 天明は、がしがしと頭をかいた。


「紅華を後宮にいれることを条件に、次は睡蓮も後宮に、というあれだろ? 慌ただしい時だったとはいえ、晴明らしくもない失態だな。……宰相がそんな約束守ると思うか?」

 ぐ、と晴明が唇をかむ。天明はその様子を苦々しい顔で見つめた。
< 160 / 237 >

この作品をシェア

pagetop