貴妃未満ですが、一途な皇帝陛下に愛されちゃってます
「後宮に妃は一人なんて条件は、その時点でもう崩れているんだよ。睡蓮が妃になる前に、次はこっちの令嬢をあっちの令嬢を、と、断れない筋から次々に妃嬪が後宮に入ってくるんだ。立場上、睡蓮はそいつらの面倒を見なければならない。今だって、睡蓮がどんな気持ちで日々、お前の妻となる貴妃の世話をしているか考えたことあるのか?!」

「す、好きだと打ち明けることもできなかったお前に言われたくない! お前だって睡蓮を愛しているんだろ! だからあの時、彼女を奪うようなことを言って僕を挑発したんじゃないのか?!」

「はあ?! ……ああ、愛していたさ! でもそれは……!」

「睡蓮!」


 愕然とその言葉を聞いていた紅華は、ふらりと倒れていく睡蓮を目の端に捕らえて思わず叫んでいた。

 その声に、天明と晴明は、は、と我に返って振り返った。二人の目に、紅華に支えられた睡蓮が映る。

「紅華……様……」
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