貴妃未満ですが、一途な皇帝陛下に愛されちゃってます
「私は後宮で生まれました」

 紅華は、息を飲んだ。後宮で生まれたという事実。そして、後宮に入れる男子は、皇帝陛下のみ。

「では、あなたは」

「私の母は、後宮で働く下女でした。たった一度の前々皇帝陛下のお戯れで……私が生まれたのです」

 睡蓮は、前々陛下、つまり晴明たちの祖父の娘だ。晴明たちにとっては、睡蓮は叔母にあたる。

 皇帝の血をひくも、睡蓮の母親が下女だったため皇族としてあつかわれることはなく、後宮で侍女として育てられた。


 成長した睡蓮は、その聡明さを買われ女官として後宮で働くようになる。その母も、今はもういない。

(叔母って……睡蓮て、何歳なの?)

 単純な疑問が浮かんだが、とても聞ける雰囲気ではなかった。

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