貴妃未満ですが、一途な皇帝陛下に愛されちゃってます
「取り乱してしまい、申し訳ありませんでした」

 まだ青ざめながらも、しっかりした声で睡蓮が言った。

「落ち着いた?」

「はい。もう大丈夫です」

 そういいつつふらつく睡蓮を、紅華は池のほとりにあるあずやまに連れて行って座らせた。

「少し、聞いてもいいかしら」

「はい」

 そうは言っても、何を聞いていいのか紅華もまだ混乱している。


「ええと……」

 尋ねあぐねている紅華に、うつむいたまま睡蓮は小さく話しはじめた。

「私は、幼いころから天明様、晴明様と共に育ちました」

「え?」

 紅華の困惑を悟ってか、ぽつぽつと睡蓮は言葉を紡ぐ。
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