貴妃未満ですが、一途な皇帝陛下に愛されちゃってます
「嬉しかった。でも、晴明様は皇太子です。皇帝の血を引くとはいえ、私の母は身分などないただの下女でした。ですから、晴明様のお心に答えることなどできないと、断るしかありませんでした」

 寵姫となる女性には、それなりの条件が求められる。身分の高い貴族や、紅華のように実家が多大な財産を持つもの、そんな何かが。睡蓮の母には、何一つそんなものがなかった。


「そんな理由じゃ、晴明陛下は納得しないんじゃない?」

 睡蓮は、苦し気にうなずいた。

「はい。それでもかまわない、と晴明様は言ってくださいました。身分のない私のために、他の妃は誰も後宮には入れない、とまでも。でもそれでは、他の方々は納得しません。第一、私の身分では皇后になんてとても無理でしょう。陛下には、釣り合う身分の皇后は絶対に必要なのです。だから……だから、私は……」
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