貴妃未満ですが、一途な皇帝陛下に愛されちゃってます
 晴明がたった一人の妃に、と決めたのが睡蓮だとわかったことより、天明が本当に愛していたのが彼女だと知ったことの方が、紅華にとっては何倍も衝撃だった。

 おそらく天明は、晴明と睡蓮がお互いを想いあっていることに、気づいていたのだ。それで自分の想いをかくして、ただ睡蓮の幸せだけを望んだ。天明ならきっとそう考えるだろうと、紅華は思う。

 そんな時に、紅華が後宮にやってきた。今のままでは、たった一人の妃、という言葉が枷になって晴明は睡蓮と結ばれることができなくなる。それで天明は、二人の幸せを考えて、紅華を後宮から追い出そうとしたのだろう。


 もちろんそれは、紅華の一方的な推測に過ぎない。けれど、全く間違っている答えではないような気がした。

 天明が睡蓮を愛していた。そう知ることが、なぜこれほどに苦しくなるのか。

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