貴妃未満ですが、一途な皇帝陛下に愛されちゃってます
「実はな、紅華殿にはこのままここに残り、新しい後宮に入っていただきたい」
「……それは、どういう……?」
嫌な予感が胸をよぎり、紅華の声が思わず低くなった。
「幸い、紅華殿はまだ皇帝陛下、ああいや、元皇帝陛下の正式な妃にはなっていない。こうして宮城へ赴かれたのも何かの縁。ぜひそのまま次の皇帝である晴明様の貴妃となって、陛下のためにその身を尽くしていただきたい」
「は……はあっ?! いえ、あの、その……」
「驚かれるのも無理はない。だが、皇太子であられた晴明様には、いまだに妃が一人もおらん。まずは紅華殿に後宮に入っていただいて……」
「いえ、でもわたくしは龍可皇帝の」
「陛下は、もうおらん」
そこだけやけにしみじみと、宰相は言った。
「……それは、どういう……?」
嫌な予感が胸をよぎり、紅華の声が思わず低くなった。
「幸い、紅華殿はまだ皇帝陛下、ああいや、元皇帝陛下の正式な妃にはなっていない。こうして宮城へ赴かれたのも何かの縁。ぜひそのまま次の皇帝である晴明様の貴妃となって、陛下のためにその身を尽くしていただきたい」
「は……はあっ?! いえ、あの、その……」
「驚かれるのも無理はない。だが、皇太子であられた晴明様には、いまだに妃が一人もおらん。まずは紅華殿に後宮に入っていただいて……」
「いえ、でもわたくしは龍可皇帝の」
「陛下は、もうおらん」
そこだけやけにしみじみと、宰相は言った。