貴妃未満ですが、一途な皇帝陛下に愛されちゃってます
型通りの悔やみを述べてはいるが、心はすでに実家に戻っている。
(相手がいなくなっちゃったんだもん、しょうがないわよね。次こそは政略結婚じゃない相手に出会えるかもしれない。いいえ、出会うのよ! そして、幸せな結婚をするの!)
「そうか紅華殿もそう思っていただけるか?」
すると、宰相がずい、と身を乗り出してきた。
「? ええ、心から」
「それは好都合……いや、よかった」
宰相は、じ、と紅華を見つめた。
「あの?」
「いや、実はな。皇帝が亡くなった時は、その後宮は全て解体する定めとなっている」
「はい。存じております」
後宮は、その時代の皇帝の子孫を残す役目を担っている。決して同じ寵妃が次の皇帝に受け継がれることはない。それを知っているから、紅華は実家に戻る気満々なのだが。
(相手がいなくなっちゃったんだもん、しょうがないわよね。次こそは政略結婚じゃない相手に出会えるかもしれない。いいえ、出会うのよ! そして、幸せな結婚をするの!)
「そうか紅華殿もそう思っていただけるか?」
すると、宰相がずい、と身を乗り出してきた。
「? ええ、心から」
「それは好都合……いや、よかった」
宰相は、じ、と紅華を見つめた。
「あの?」
「いや、実はな。皇帝が亡くなった時は、その後宮は全て解体する定めとなっている」
「はい。存じております」
後宮は、その時代の皇帝の子孫を残す役目を担っている。決して同じ寵妃が次の皇帝に受け継がれることはない。それを知っているから、紅華は実家に戻る気満々なのだが。