貴妃未満ですが、一途な皇帝陛下に愛されちゃってます【番外編追加しました】
「天明様が後宮から出られないのなら、私も一生後宮から出ません。たとえ後宮から出られなくても、天明様にできること……ちゃんと、あるんです。ですから、天明様も覚悟を決めてください」

 黙ってそれを聞いていた天明は、ぽつりとこぼした。

「何故だ?」

「何故?」

「何故、お前は妃のままでいたいのだ?」

「だからそれは、皇帝陛下の……」

「何故?」

 畳み掛けるように言われて困惑した紅華だが、天明が何を言わせたいのかに気づくと、一気に顔を赤くした。


「そ、そんなの……! 決まっているじゃないですか」

「さあ? 俺にはわからん。それを聞くまでは覚悟なんかできないな」

 にやにやしている天明をにらみつけたまま、紅華はふくれっつらになる。
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