貴妃未満ですが、一途な皇帝陛下に愛されちゃってます
「皇帝暗殺をもくろんでいた李恵麗と、彼女と結託していた官吏、陳張明、およびその関係者は宮城にて捕縛された。お前は、貴妃を誘拐してものにしろと、恵麗に……お前の姉に頼まれたな?」

「なぜそれを……!」

 うっかり言いかけて欄悠は口元を押さえた。紅華は押し倒されたまませいいっぱい欄悠を睨みつける。

「やっぱり、あんた……」

 舌打ちをして男を見上げた欄悠は、ふと、怪訝な顔になる。どこかで見たことがある……そんな風に記憶を探る欄悠に、男は不敵に笑った。

「我が妃を返してもらいに来た」

「晴明皇子! ……いや、へ、陛下! なぜここに……!」


 気づいたとたん、欄悠の顔が蒼白になった。その下から紅華はあわてて這い出す。ごほごほと咳き込む紅華の手をとって立たせると、男は平身低頭した欄悠を見下ろした。
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