貴妃未満ですが、一途な皇帝陛下に愛されちゃってます
「ですが」

『た……すけ、て……!』

 喉を押さえられながらも、紅華は必死に声を押し出した。締め付けられた喉からは、叫び声には程遠い、本当に微かな声しか出なかった。

 だが、それで十分だった。


「至急って……言ってるだろうが!!」

 叫びと同時に、扉が粉々に割れてそこに一本の足が飛び出した。扉の外にいた男が蹴り破ったらしい。

「紅華!」

 そこから勢いよく飛び込んできた男に、欄悠があっけにとられる。

「な、なんだお前は!」

 飛び込んできた男は、貴族らしい服は着てはいるが、その体は埃まみれで服にいたってはあちこちが裂けてぼろぼろだ。男は、欄悠を睨み殺しそうな目で見下ろす。
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