貴妃未満ですが、一途な皇帝陛下に愛されちゃってます【番外編追加しました】
「天明様……」

 辛そうな睡蓮の様子に半年後の自分の姿を重ねて、紅華は、ぎゅ、と天明の袖をつかむ。その紅華を座らせて、天明も隣に座るとその体に自分の腕を回す。

「心配するな。お前は、ただその子の事だけを考えていればいい」

「はい」

「辛い思いをさせるな。だが、俺もついているし、睡蓮も白露も、母上もいる。みんなで乗り越えよう」

「はい。天明様」

「ん?」

「生きて、くださいましね」

 かすかに目を瞠った天明は、愛おし気に目を細めて紅華を見つめる。

< 214 / 222 >

この作品をシェア

pagetop