貴妃未満ですが、一途な皇帝陛下に愛されちゃってます
「ごめんなさい、睡蓮。心配をかけたわね」

「いいえ! ご無事で、本当に何よりでした」

 そう言ったとたん、安心したのか睡蓮の目から涙があふれた。なきじゃくる睡蓮をなだめながら、三人は紅華の部屋へと戻る。部屋では、晴明も待っていた。



「紅華殿」

「陛下、ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした」

「迷惑をかけたのは、こちらの方だ。危ない目に合わせてしまって申し訳ない。二人とも、無事でよかった」

 安堵する晴明は、涙のとまらない睡蓮に寄り添ってその背をさすってやる。睦まじい二人の姿を見ながら、紅華は姿勢を正した。

「陛下、お願いがあります」

「なんだい?」

「どうか、私をこのまま後宮においてください」

 は、と睡蓮が顔をあげる。
< 214 / 237 >

この作品をシェア

pagetop