貴妃未満ですが、一途な皇帝陛下に愛されちゃってます
「わ……わたくしは庶民の出自ゆえ、皇帝陛下に相応しい身分をもってはおりません。陛下の妃にはもっと気高い貴族のご令嬢の方がお似合いになるかと存じます」

 遠回しに妃を断ろうとした紅華の言葉に、晴明はわずかに目を見開いた。それから複雑な表情になると、ぺたりとその場に座り込んだ。

(何?!)

 思いがけないその仕草に驚いている紅華の顔を、晴明は同じ目の高さで見つめ返す。

「私の妃は、嫌かい?」

「めっそうもございません! この身にはあまる光栄。なれど」

「それとも、このまま家に帰るかい?」

「え?」

「陛下」

 黙って聞いていた宰相が、口をはさんだ。

「紅華殿は、先ほど宮城に到着なされたばかりでお疲れのご様子。なにはともあれ、まずはゆっくり休んでいただくのがよろしいかと」
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