貴妃未満ですが、一途な皇帝陛下に愛されちゃってます
「これは?」

「開けてみて」

 紅華は、その箱を開けてみる。と、中には細かい細工の施された美しい翡翠のかんざしが入っていた。紅華の住まう翡翠宮にかけて選んでくれたのかもしれない。

「まあ」

「先日、菫を持ってきたら天明に笑われてしまったからね。何か貴妃に相応しいものを、と選んできたんだ。喜んでもらえるかな?」


 商家の娘である紅華には、それがどれほど高価なものなのか一目でわかった。見当のついたその値段に言葉を失う。それと同時に、そのかんざしに欄悠の顔が重なって見えて、紅華は複雑な気分になった。

「こんな高価なもの……いただいてよいのでしょうか?」

「気に入らなかった? もしかして、迷惑だったかな」

 目に見えてしょんぼりしてしまった晴明を見て、紅華はあわてて首を振る。

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