貴妃未満ですが、一途な皇帝陛下に愛されちゃってます
「私たちは政略結婚でもあるし、会ったばかりの君を愛しているとはまだ言えない。けれど、これから時間をかけてお互いに歩み寄って、できればお互いが一緒にいて気楽になれる関係を築いていきたいと思っている。もちろん、君がそういう関係を嫌でなければ、という前提だけれど。そんな皇帝では、嫌かな?」

「とんでもありません! 私もその方が嬉しいです」 

 紅華が言うと、晴明は安堵したように笑った。

「よかった。私は、まわりからよく頼りないと言われることが多いからね。紅華殿にまで頼りない夫と思われたらどうしようかと思っていたんだ。どうかよろしくね」

 晴明の不器用ながらも真摯な態度に、紅華は少なからず感動する。

 皇帝であれば、その一言は絶対だ。命令されれば、誰だって否とは言えずに従うしかない。なのに晴明は、紅華の気持ちを慮って二人の仲を築いていこうとしてくれている。

(こんな人の妻になれるなんて……この人は、欄悠とは違う。信じて、いいのかもしれない)

「こちらこそ、お願いいたします。晴明様」

 紅華は、心からの笑みを浮かべることができた。

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