貴妃未満ですが、一途な皇帝陛下に愛されちゃってます
 その後、お互いの近況など他愛もない話をしばらくしてから晴明は腰を上げた。

「もうこんな時間だね。今日は、紅華殿のことをいろいろ聞けて楽しかった。そろそろ公務に戻るとするよ」

 紅華も、晴明を見送るために立ち上がる。

「朝議ですか?」

「いや、これから父上の墓前参りなんだ」

 新皇帝の陵墓参りは、一週間の間続く。それが終わると魂上げの儀式があって、ようやく民衆も墓前参りができるようになるのだ。


「あの……私も同行してよろしいでしょうか?」

「紅華殿が?」

「はい。前皇帝陛下の納棺の儀には参列できませんでしたが、本当なら夫となるはずだった方です。なにより、晴明様のお父上であられますので、墓前ですがきちんとご挨拶をしたいのです」
< 50 / 237 >

この作品をシェア

pagetop