貴妃未満ですが、一途な皇帝陛下に愛されちゃってます
「皇位の跡目争いなんて、ない方がめずらしいくらいだ。現に今だって」

「天明様」

 ふいに、睡蓮が言葉を遮った。


「あまり紅華様を脅かすのはやめてください」

「俺は、紅華殿のためを思って言ってるんだ。皇位の跡目争いもしかり、後宮の妃たちの争いだってそりゃあ醜いものさ。それが現実だ。怖かったら、いますぐ実家に帰ったほうがいい」

 挑発的に天明が言った。紅華の耳に、以前の天明の言葉がよみがえる。


『一刻も早く後宮を去れ』



「天明様は、私が貴妃になることに反対ですの?」

「正直言えば、是、だな」

 適当にごまかされるかと紅華は思ったが、天明はあっけらかんと答えた。
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