貴妃未満ですが、一途な皇帝陛下に愛されちゃってます
「俺が死んでも、『皇帝陛下』である晴明が生きていればこっちの勝ちだ」

「でも、天明様が……!」

「なあ、紅華」

 いきなり呼び捨てにされて、紅華はびくりと体をこわばらせた。ひじ掛けに片腕をついて、天明は薄く笑っている。


 その表情は、同じ顔をしていても晴明には見られない威圧感をかもしだしていた。まっすぐに見つめてくる細い目を、紅華は怖いとも思う。優し気な晴明よりも、よほど天明の方が圧という意味では皇帝らしい。

 よくその気迫を隠して先ほども晴明を演じていたと、紅華は頭の隅で感心する。

(でも……この人は、何を考えているのだろう)

 自分の死すらも単なる玩具の一つとしか考えていないような天明に、紅華は胸をざわつかせた。

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