貴妃未満ですが、一途な皇帝陛下に愛されちゃってます
「逢引のための時間は、何をおいても必要ですよ、紅華殿。晴明と顔をつきあわせて文書を呼んでいるよりも、かわいいお嬢さんとお花見をしている方がずっと楽しいとは思いませんか?」

 爽やかに微笑む様子は晴明とよく似てはいるが、やはり紅華には二人は別人としか思えない。

「陛下は一生懸命お仕事をされているのですよ?」

 批判めいた言葉にも、天明はすました顔を崩さない。

「やりたいことはすぐやらないと気がすまないたちなんでね」

「せっかちですね」

「明日も生きていられるとは限らないだろう? やりたいことを残して死ぬなんて、成仏できないじゃないか」

「縁起でもないこと言わないでください」

 紅華は眉をひそめて天明をねめつける。だが天明は、そんな紅華の表情を面白がるばかりだ。
< 97 / 237 >

この作品をシェア

pagetop