無限ループ
「やめて」

「待てよ」

「いやっ。誰か、誰か助けて」

はぁはぁと息を切らせながら、もつれそうになる足を必死に動かして階段を駆け上る。

後ろから肩に置かれた手を思いっきり振り払えば、追いかけてきた男は「おっと」とよろめいて、足を止めた。

同時に、他の男たちにその振り払われた手が当たったのか、追手との距離が少しだけ開いた。

「このやろぉ。待てよ」

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