骨なしチキン野郎って【中学生日記②】
 彼女に見立てた布団。それに抱きつき、下半身を押し付けているオレ……
 ちょっと、むなしくなった。

「なんかコイノボリみたいな格好だな」

 オレは、理性を取り戻していた。

「つまりは『まな板の鯉』 煮るなり焼くなり、好きにしてくれ」

 鯉、こい、恋……
 だが、この恋。どうサバいたらいいものか。

 何かが吹っ切れたような気がした。
 それは、ちょっとした気付きだったのかも知れない。
 つい、先程まで考えていたことに繋がった。

 悶々と臆病になっていても、しょうがない。「うまくいくかな?」なんて探っているうちに、タイミングを逸してしまう。

 肉食になるため、オレは行動を始めた。
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