仮面夫婦は今夜も溺愛を刻み合う~御曹司は新妻への欲情を抑えない~
 先ほどの返事ではないことに喜べばいいのか、落胆すればいいのかわからないまま、火を止めて再び確認する。

(サキさんだ)

 すっかり仲良くなったサキさんからのメールだった。

 緊張が抜けて、ちょっとだけほっとする。

(今度はなんの話かな。また素敵な雑貨の写真を見せてくれたら――)

 そんな期待を抱いていたのに、メールの文面を見てどきりとする。

『相談したいことがあるんです』

 つい先ほど来たばかりのメールのように、いろいろなことを想像させてくる内容だった。相談と言うだけでそれ以上の内容はなく、ただただ私の不安を煽る。

 こんなふうに前置きするからには、夕飯のメニューに悩んでいるなどというようなぬるい相談ではないだろう。

 けれど、相談内容を思いつけるほど私はサキさんのことを知らない。
< 172 / 394 >

この作品をシェア

pagetop